WORKS
変化点FMEAの下書きを、AIが6〜7割の完成度で自動生成
変化点が発生するたびに、担当者がゼロからFMEAを作成していました。過去の文書を横断的に参照するAIが、6〜7割の完成度の下書きを自動生成する仕組みへと変えています。作成に着手してから初版ができるまでの時間が短くなり、網羅性も上がっています。
- 業界
- 製造業
- 企業規模
- 従業員1,000名以上
- 対象部門
- 製造部
- 主な技術
- RAG(ハイブリッド検索)/文書読み取りAI/段階的な処理パイプライン
OVERVIEW
プロジェクト概要
製造業の企業の製造部における、変化点FMEAの作成業務に関する取り組みです。FMEAとは、設備や工程の変更点に対して起こり得る故障や不具合をあらかじめ洗い出し、影響の大きさや対策を整理する品質管理の手法です。その作成工程にAIを組み込み、下書きを自動で出力する仕組みを構築しています。
CHALLENGE
課題
これまでは、変化点が発生するたびに、担当者がゼロから項目を洗い出し、手作業でFMEAを作成していました。どの故障モードを挙げ、どこまで深く検討するかは担当者の経験に依存しており、作成者によって内容の粒度や網羅性に差が出る状態でした。
過去のFMEAや設備の図面は社内に存在していましたが、個別に参照する作業が必要で、活用の度合いも人によって異なっていました。また、作成物の品質を客観的に比較する指標がなく、どこまで検討できていれば十分と言えるのかを組織として測れていませんでした。
APPROACH
支援内容
過去のFMEAや設備図面などの社内文書をAIが参照できる形に整備し、変化点の情報を入力するとFMEAの下書きを生成する仕組みを構築しました。
- 01ハイブリッド検索によるRAG文書の検索にはRAG(外部文書を検索し、その内容を根拠にAIが回答を生成する手法)を用い、キーワード検索と意味検索を組み合わせています。
- 02図面の読み取り図面類は文書読み取りAI(画像から文字や構造を抽出する技術)で処理し、検索対象に含めました。
- 03段階的な処理パイプライン入力から下書きの出力までを複数の段階に分け、各段階の出力を確認できる構成にしています。
- 04評価の枠組みづくりAIの出力をどう評価するかの枠組みを顧客側の担当者とともに整え、検証を進めました。
CHANGE
業務の変化
| 項目 | 従来 | 現在 |
|---|---|---|
| 項目の洗い出し | 担当者がゼロから故障モードを洗い出していた | AIが6〜7割の完成度の下書きを出力 |
| 過去文書の参照 | 個別に参照する作業が必要で、活用度は人により異なっていた | 過去のFMEA・図面を横断的に検索し反映 |
| 品質の比較指標 | 作成物の品質を客観的に比較する指標がなかった | 出力を評価する枠組みを整備 |
RESULTS
成果
AIが6〜7割の完成度のFMEA下書きを出力できる状態になりました。担当者の作業は、ゼロから書き起こす形から、下書きを確認して補正・追記する形に変わっています。
以前は担当者が最初から項目を洗い出していた工程がなくなり、作成に着手してから初版ができるまでの時間が短くなっています。また、過去の文書を横断的に参照できるため、担当者が見落としがちだった故障モードも候補として挙がるようになり、網羅性が上がっています。
