WORKS
通話内容から過去の対応事例と取り次ぎ先を自動提示するAI
ベテランの経験に依存していた問い合わせ対応を、オペレーターが通話中に同じ情報を参照しながら判断できる状態へと見直しています。このうち、オペレーターを支援するAIの開発を担当しています。
- 業界
- 製造業
- 企業規模
- 従業員1,000名以上
- 対象部門
- カスタマーセンター(顧客サポート)
- 支援期間
- 約5ヶ月
- 主な技術
- 生成AIによるリアルタイム通話解析/過去対応履歴の類似検索
OVERVIEW
プロジェクト概要
製造業の企業のカスタマーセンターで、オペレーターの問い合わせ対応業務を支援するAIシステムを開発しています。
同社ではカスタマーセンターのAI活用を段階的に進めており、Kieiはそのうちオペレーター支援AIの開発を担当しています。
CHALLENGE
課題
支援を始める前、問い合わせへの対応方針の判断は、ベテランオペレーターの経験、いわゆる暗黙知に大きく依存していました。
過去の対応データは存在するものの、AIが読み取って活用できる形式では蓄積されておらず、対応中に参考事例を探す作業もオペレーター個人の記憶や手作業の検索に頼っていました。問い合わせ内容をどの部署に取り次ぐべきかの判断も、同様に個人の知識に委ねられていました。
結果として、対応品質が担当者ごとにばらつき、それを一定の水準に揃える仕組みがありませんでした。
APPROACH
支援内容
まず、過去の対応データをAIが扱いやすい形式に構造化し、あわせてベテランの暗黙知を文書化されたナレッジ(形式知)に変換しました。データとナレッジが今後も継続して蓄積される業務フローも、あわせて整備しています。
この基盤の上で、通話中のオペレーターを支援するAIシステムを開発しました。主な機能は次の3点です。
- 01固定ナレッジの自動表示通話の状況に応じて、確認事項や注意事項などの固定ナレッジを自動で表示します。
- 02取り次ぎ先の自動判定会話からキーワードを抽出し、エスカレーション先(専門部署への取り次ぎ先)を自動で判定して提示します。
- 03類似する過去事例の提示通話内容の文脈と類似する、過去の対応事例を提示します。
開発では、事前にデータをまとめて処理するバッチ処理と、通話中に逐次解析するリアルタイム処理を分けて構築しました。一部のオペレーターによる試用とフィードバックを経て、実業務で運用できる状態まで確認を進めています。
CHANGE
業務の変化
オペレーターが対応しながら個別に行っていた判断を、通話内容に連動した情報提示に置き換えています。
| 項目 | 従来 | 現在 |
|---|---|---|
| 参考事例の検索 | オペレーター個人の記憶と手作業による検索 | 通話内容に連動してAIが提示 |
| 取り次ぎ先の判断 | 担当者個人の知識に依存 | 会話のキーワードから自動で判定 |
| 判断の基準 | ベテランの暗黙知 | 文書化されたナレッジとして整備 |
OUTLOOK
今後の展望
担当者ごとに異なっていた参照先が揃うことで、対応品質のばらつきを抑えられる見込みです。
また、特定の担当者の中にあった判断基準がナレッジとして整理されるため、経験の浅いオペレーターも同じ情報を参照しながら対応できる状態を目指しています。
